あなたへの警告

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286 ミシガン州 五大湖の魚を食べていた女性たち
妊娠に先立つ6年ほど前から、月に二、三度、魚主体の食事
体重が軽い
頭囲が小さい
神経障害
287〜290 動物実験とヒトの反応
291

マウスなど(げっし類)の研究成果がそのまま、ヒトの行動に与える、汚染物質の影響を考える上での警告になるという事実。

292〜293

行動変化を誘発した、化学物質はPCBだけではない。
五大湖地方に放出された有毒化学物質の数は、およそ2800種類と考えられる。このうち、何種類がサケの体に入り、さらにそのサケを食べた人の体内に、取り込まれていったかは推測の域を出ない。この有毒物質のシチューの中では、複数の化学物質が多様な、相乗作用を見せても不思議ではない。
 ホルモン作用撹乱物質と、ヒトの育児行動や性的志向、同性愛との関連

294 過去半世紀に母親になった女性の体内には、例外なく、合成化学物質が残留しており、子どもがそれに暴露しているのは確かである。程度の差こそあれ、汚染化学物質に暴露していない個体など存在していない。比較的暴露量の少ないと思われる対照群を求めて、遠路はるばるイヌイットの村までやってきた、ところが村人からは、人体汚染レベルでも最高値に当たる汚染物質が検出された。
295 汚染の性質を考えれば、人類の健康を守る立場にある方々には、限られた情報をたよりに、具体的な行動を起こす義務があるはずだ。乳がん、前立腺がん、不妊症、学習障害。現代社会にすでに蔓延している病理傾向や、パターンの解明に取組むさいは、以下の点を考慮すべきだ。合成化学物質の中にはごくごく微量であっても、人体に生涯にわたって甚大な影響を与えるという事実は、今なお科学研究によって次々と立証されている。ホルモン作用や発達過程を撹乱する合成化学物質は、いまや人類の未来を変えつつある。とすれば、合成化学物質こそ、われわれ人類の運命を握る鍵といえるだろう。
がんだけでなく

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296 ガンにこだわりすぎた、合成化学物質の科学研究
297 DDTによる去勢
1950年にはDDTには「エストロゲンのような作用」が、あるかもしれないとの研究報告があった。
当時、毒の大半は、猛毒の砒素化合物だった。この残留物が含まれている果物や野菜を食べた場合、即死することがあった。
公衆衛生局は、化学物質の安全基準を明らかにした。それによると、農業従事者のように、高濃度の化学物質に暴露している場合でも、死亡するとか、病気にかかるとかいった、明確な影響が現われなければ安全そのものということになった。

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翔泳社刊
「奪われし未来」より

要約「奪われし未来」

索引

  要約19  要約20  要約21

     運命の転機