翔泳社刊
「奪われし未来」より
ページ 概 要 p249 カエルの激減について
透水性の皮膚を通じて呼吸と水分吸収を行うため、カエルはほかの生物に比べて、環境内に蔓延している化学物質を体内に取り込みやすい
ホルモン・メッセージを撹乱する合成化学物質に対して格段に弱いp250 謎の多い渡り鳥の現象について
汚染物質は脂肪に蓄積されていく、その脂肪を燃やし尽くしてしまったらどうなるのか
脂肪がエネルギーに変わるさいに、血液中に放出され、十中八九は生殖器か脳へ送られるはず
故に、渡りの能力がなくなったのではないか
生殖能力を失ったのではないか、今なお、不明ではあるがp252 野生生物の危機と、ホルモン作用の撹乱との関連性を裏付ける証拠と理論は、続々と現われている。内分泌系撹乱物質こそが、地球の生物多様性を長期にわたって脅かす、元凶であるとする見方が濃厚になっている。
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p254 | すでに見てきたように、内分泌系のような生理学上の基本プロセスは、数億年に及ぶ生命進化の過程ではさほど進化を見せていない。生命進化という壮大な実験では多種多様な生命形態が次々と生み出されてきたが、生命の生化学組成は現在も太古のまま、ほとんど変わっていない。 |
p255 |
丸太の上で甲羅干しをしているニシキガメの体内を周流するエストロゲンは、ヒトの血液中をものすごい勢いで駆け巡っているエストロゲンと、何ら変わるところがないのである。 |
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