あなたへの警告

ページ 概      要  
354 ・・・DDTが砒素とは違った意味での有害物質である事が明らかになった・・・当局もDDTの規制を行い、その結果DDTに代わってメトキシクロルのような残留性の低い化合物が市場に出回るようになった。しかし、今も広く使われているメトキシクロルが、実はホルモン作用撹乱物質であることもわかっている。
355

これから先、たぶん問題になってくるのは土壌だろう。土壌は生命維持システムの中でも、いちばん軽んじられてきた対象だ。無数のバクテリヤや菌類、それに昆虫によって支えられている栄養素のリサイクルという土壌のはたらきが、著しく損なわれるようなことにでもなれば、重大な結果がおとずれるだろう。
 われわれが直面しているジレンマは簡単に言えば「地球には、将来の青写真もなければ、使用説明書も付いていない」ということだ。

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CFC(クロロフルオロカーボン)は40年以上も市場に出回っていた。ガイア仮説の生みの親であるジェイムズ・ラブロックが開発した測定器(pptという単位)が出るまで発見されず、オゾン層の破壊も発見できなかった。

357 地球のような巨大複雑系の場合、影響がはっきり現われるまでには、それなりの「タイムラグ」が生じてしまう。
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地球の大気を変えてしまってよいのだろうか、未来の人類が宿る子宮内の化学環境を変えてしまって良いのだろうか。
 今何より大切なのは、地球に住む一人ひとりがこの問題を真剣に考え、論じはじめることだ。化学会社、行政、農業関係者、経済学者、科学者、環境保護団体だけに問題を押しつけてはいけない。この議論にはさらに教師、親、医師、哲学者、芸術家、歴史家、ローマ法王、ダライ・ラマのような霊的指導者、そして人類の知恵と経験に備わった豊かな多様性に思いをこらす人たちが加わるべきだろう。

364 子どもたちが合成化学物質にさらされることなく、安全に生まれて来られるような未来をつくるには、科学知識と専門技術がぜひとも必要だ。・・・われわれ人類がよりよく、状況を理解できるようになったいまこそ、もっと用心深くなる勇気を持つべきだ。これこそが、子どもたちの未来を守る親の義務なのであ


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翔泳社刊
「奪われし未来」より

要約「奪われし未来」

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