個人的感想と期待 p1

児童を対象とした手作り木造船航海体験と地域交流事業
ドリームシッププロジェクト

                       播優太君への手紙

 海賊船「ドリームシッププロジェクト」における最大のイベント、下流域の子供たちとの交流の日、上流の子どもを代表して挨拶をした優太君、とても立派に大役を果たしてくれて本当に有り難う。
 君が荒川遊園・アリスの広場でマイクを握り、荒川の子供たちに視線を向け、発した、一語一語はこの事業を成功に導いた池林氏と、同じような情熱と責任感を感じさせるものでした。。それは荒川遊園に集った約200名の方々に感動を与えるものでした。
 交流会の内容が決まった時、イベントの責任者の間で、誰を子供たちの代表にしようか検討され播君に決まり、そのむね、伝えられていました。海賊船工房においてだったと記憶しています。「エー、デキルカナ」といっていましたね。池林氏から短くてもいいから暗記してくれ、さらに内容も自分で考えてといわれていました。君は弱よわしく「ハイ」と答えていました。
 それからしばらくして、森林雑木林会議が近くの駿河台大学をメイン会場に催され、海賊船の展示コーナーを置く事になりました。その会場にお母さんと共に来られ、池林氏の前で、披露し文面、その他アドバイスを受けていました。私もその場で聞いていたのですが何も見ずに、記憶をたどりながら一言一言、探していましたね。聞いていて必ず成功すると思いました。
 何の義務も無い、制約も無いNPOの活動の中で大役を頼まれ、引き受けた優太君とお母さん、それにご家族、素晴らしいと感じました。
 やる、やらない、できる、できない。その葛藤は自らが自由に選ぶことができる場面で、責任ある立場を選択する、進んで難しい事に挑戦するという姿勢に感心していました。
 そして迎えた、当日の朝、早朝六時集合の私はバス担当になり、車外で来られる方々を待ち、立っていると、そこに母子で来られ優太君から、「聞いてくださいと」と私の前で暗唱してくれました。とてもスムーズに言葉が続きます。きっと、たくさん、繰り返し、繰り返し、練習を重ねてきたものと思います。私がバスの中で皆の前で練習をしますかと聞くと、やっぱり恥ずかしそうに、「いいです」と答えていました。その必要は無かったのでしょう。きっとお父さん、お姉さん、もちろんお母さんの前で、聞いて、聞いてとテレビの音量は小さくなり、あるいは優太君の独演会がご家族の生活を少々変えたのではないかと想像いたします。
 荒川の岩淵水門に到着した時、「どきどきしてきた」といい、式次第について聞いてきました。私は前日、荒川遊園でのすべての運営をお引き受け頂いている、小林さんとの、こちらの責任者池林氏とともに最終打ち合わせに参加させていただいていましたので、責任者お二人の挨拶の後、三番目に優太君が、子ども代表としては最初ですよと答えました。
 岩淵水門から荒川遊園へ下る船の中、オールを漕いだり、橋の上、堤防、またマンションのベランダから手を振り、声をかけていただいた方々に気楽に反応している子どもたち、私たち、でも彼だけは、すべての大役が終えるまで、緊張していて楽しむことが出来なかったかもしれません。
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子ども達の海賊船