2005年2月16日午前4時25分の出来事と三日目の夜、本来の母親となる事ができた「さくら」の顛末

   我が家の愛犬コーギー 「さくら」 のお産

 午前四時二十五分、私はついに受話器を手にした。

 「先生、気配はずいぶんまえからあるのですが、苦しそうで見ていられません。我が家での出産は諦めました、宜しくお願いします。 呼吸が荒くなり、タオルを噛んだり、そわそわしはじめて四、五時間たっていました。

 四年前の十月、我が家の愛犬さくらに子どもを生ませることにしたのです。それは近所の犬仲間や多くの犬好きの方々から、「一度は生ませた方がいいみたいよ」、「私のところではあっという間に生んで、ドンドン大きくなっているよ」。そんなお話を耳にして、さくらの健康を思い、私達にもそれ程、負担はないようだと判断したからです。

 さて、何処で、どんなワンチャンとかけようか悩みましたが、結論はさくらが生まれた浜松のKファームさんにお願いしよう、きっと、さくらのような綺麗な子達が生まれると思うからとの理由からでした。

まえ
つぎ

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 さくらは七年前の春、Kファームさんのホームページ上に並んでいた兄弟姉妹の売れ残りでした。生後四十日で我が家の一員になったのですが、宅配便で営業所まで送り届けられ、そこへ女房と娘が引き取りに行ったのです。私はその日出張で、夜、家に電話を掛け、さくらの声がまるで子猫のような鳴き声だったことを今でも覚えています。