2005年2月16日午前4時25分の出来事と、三日目の夜、本来の母親となる事ができた「さくら」の顛末

そして先生達によってもう名前を付けられていました。一番大きな雄は耳の部分に白いところがあるので「しろ」(三百二十グラム)、真ん中は、頭の一部に茶色があるので「茶点」(二百八十グラム)、ちびは頭の部分から背にかけてはっきり白いラインがあるので「ライン」(二百六十グラム)と呼ばれて区別されていました。私達もしばらくの間、そう呼んでいました。しばらくして娘によって白は「てつ」、茶点はフランスの可愛い女の子に多い名前だとかで「ベアトリス」と名づけられ、ラインは譲り先の命名で「小梅」となりました。また「てつ」は引き取られる方が、お孫さんたちに名前を公募し、最終的にグランプリの「グラン」と呼ばれています。










 五時間ぶりの再開、「さくらママ」は周りの雰囲気が読めないのかいつもと同じような我々との再会シーンを繰り広げています。「さくらの赤ちゃんだよ」と、その子らをさくらに近づけても何も反応しません。考えてみると産み方が、麻酔で帝王切開だもの、しょうがないか。子供達に一切関心を示しません。四匹の子犬とさくらママを連れて帰り、すぐに、犠牲となってくれた最初の子を庭に葬りました。
 おっぱいをあげようとしない「さくらママ」、私達は無理やりさくらを横にし、小さな声でうめいている子犬をさくらのお腹へ置きます、するとドンドン這うようにして乳首にくらいつきチューチューと気持ち良さそうに吸っているのでした。ところが、又、大事件発生です。翌日、体重を量ってみると、子犬すべて数グラム減らしているではありませんか

つぎ
まえ

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