個人的感想1

児童を対象とした手作り木造船航海体験と地域交流事業
ドリームシッププロジェクト
子ども達の海賊船

                       小林さん                  P1      

 もう少し、もう直ぐと、時計を見やりながら、遠くの右岸を望みます。
 雨も降らず、太陽の熱射もない、快適な天候に恵まれ、若干の向かい風の中、スタッフ、子どもたち合わせて30人程の乗員を乗せ、隅田川を下る海賊船。「あの橋を抜けると第一の接岸地、荒川遊園だ。」と声が聞こえました。双眼鏡を持参された方が私に、それを手渡してくれました。レンズに目をつけ見ると、多くの方がこちらに向かって手を振っての歓迎の姿がそこにあります。それは岩淵水門を出航して約2時間半の船旅でしたが、無事に着いたことへの安堵感と、もう少しだ、頑張れとの激励の心が溢れていました。
 海賊船は大砲を鳴らし(音の大きな花火)、やってきましたよ、楽しかったよと挨拶、皆大きく手を振り、声を張り上げます。どんどん近寄ります、岸で迎えてくれる人々、船上の私たち、笑顔と笑顔、共に声を掛け合い、手を振りお互いの心は一つになり、この事業の成功を印象付けるものと成りました。
 船を係留する桟橋は、多くの参加者が待ち受けるところから、少し離れていました。なにやら音が聞こえてきます、神楽の音が響いていました。伝統の江戸文化での歓迎でした。
私たちは陸に上がり、神楽を奏でていただいている皆さんに、会釈で挨拶をしながら、荒川の子どもたちの待つ、セレモニー会場へと向かいました。
 本番前日、10月24日、最終確認に走る車中、池林氏は私に、「これから会う小林さんは人物だ」「ぼそぼそ話すんだけど、凄げえ人だよ」と言っていました。
 小林さんの会社の建物の自動ドアが開き「池林ですけど明日の確認に、伺いました」と声を掛けると「ちょっと待ってね、直ぐ済むから」奥から、穏やかな返事が返ってきました。お客様がいらっしゃいました。数分のうちに、その方は椅子から立たれ私たちに、席を譲って下さいました。その方に向かって「それでは宜しく」と小林さん。海賊船の打ち合わせが始まります。とそこには一人のご夫人がいらっしゃいました。室伏さんというお名前でした。明日のセレモニーの裏方として、小林さんと相談されボランティアの人たちの確認、荒川の子どもさんの代表挨拶について、また、200人分の食事の調理、場所等ご準備頂いている方でした。たまたま、私もスタッフの一人として、お借りした品々をお返しするため調理会場、「ひろば館」にて、最終のご挨拶を室伏さんと交わすことになったのですが、セレモニー終了後の片付けを、地元荒川の皆さん、女子栄養大学の学生さんと共に最後の最後まで取り仕切り、成功に尽くして下さいました。
 海賊船事業の大きな目的の一つは、船を子供たちが地元飯能の西川材で造ること、もう一つの柱はその船で川を下り、下流域の子供たちと交流を図る事にあります。
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